50代女性の閉経と更年期

50代女性と更年期

更年期は主に40代後半から50代前半に訪れますが、閉経後は色々なつらい症状も少しずつ落ち着いて来ます。50代後半になると、体が新しいホルモンのバランスに慣れてくるため、心身ともに軽やかになって行きます。

しかし、女性ホルモンのエストロゲンが減少しているため、コレステロール値の上昇や骨密度の低下、免疫力の低下などには十分に注意する必要があります。

体の変化と更年期症状

初めての生理を「初経」または「初潮」と言っていますが、一般に10歳~16歳の頃に起こります。

そして妊娠や出産を控えた10代後半から20代の女性の卵巣には数十万個の卵胞があり、規則的に生理が訪れます。

しかし、40代になると卵胞の数は急激に減少し、50代になると数千にまで減少します。

卵胞の数が減少するに伴って卵巣機能も衰え始め、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量も低下していきます。

このエストロゲンは、排卵を促すほか思春期には乳房や子宮を発達させるなどの働きを担ってきましたが、減少することにより、これまで規則正しく訪れていた月経周期が乱れるようになります。

脳は、減少したエストロゲンをもっと分泌しようとして、脳下垂体から性腺刺激ホルモンをどんどん分泌しますが、それが自律神経のバランスを崩してしまい、めまい、ほてり、発汗、頭痛、息切れ、動悸、不眠など、色々な不快症状が現れます。

これが「更年期症状」と呼ばれるもので、一般に40代後半から50代前半に表れます。

更年期症状のほかに、エストロゲンの減少に伴い、骨密度が低下したり、コレステロール値が上昇するなどの体の変化も見られるようになります。

更年期症状と更年期障害

更年期症状は、単独で表れることもありますが、多くの場合、複数の症状が重なって表れて来ます。

症状の強さも個人差があり、ほとんど気にならない人もいれば、家事や外出ができなくなったり、ときには寝込んでしまうほど重症化することもあります。

性格的にまじめで責任感が強い女性ほど症状が強く出るというデータもありますが、このような日常生活に支障をきたすほど強い場合を、「更年期障害」と言っています。

特に50代女性の場合、職場で重要な地位を任されたり、家庭では親の介護が必要になったり、子供が独立したりと、環境の変化が激しくなりがちです。

環境の変化の影響で日常生活が不安定になると、自律神経のバランスがさらに不安定になり、更年期障害も重症化しやすくなります。

特に不眠やイライラ、うつ症状など、精神的症状が悪化しやすくなるため、注意が必要です。

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